どのマイクを選ぶべきかは、ビデオ通話、配信、ポッドキャスト、音楽の録音、動画制作など、使い道によって変わります。このガイドでは主なマイクの種類をひととおり紹介するので、納得して選ぶための参考にしてください。
方式による分類
コンデンサーマイクは、電気を帯びた振動板で音を電気信号に変換します。動作には外部からの電源(ファンタム電源または電池)が必要です。
- メリット:細部まで鮮明に録れる、周波数特性が広い、ボーカルやアコースティック楽器に最適
- デメリット:触ったときの振動音や部屋の響きを拾いやすい、ファンタム電源(48V)が必要、衝撃に弱い
向いている用途:スタジオ録音、ポッドキャスト、配信、ASMR、ナレーション
人気モデル:Audio-Technica AT2020、Rode NT1、Blue Yeti(USBコンデンサー)、Shure SM27
ダイナミックマイクは、振動板に取り付けたコイルが動くことで音を電気信号に変えます。構造がシンプルで丈夫なうえ、外部電源も必要ありません。
- メリット:非常に丈夫、大きな音圧にも耐えられる、背景ノイズを拾いにくい、電源不要
- デメリット:高音域の繊細さに欠ける、一般的に大きなゲインが必要、重め
向いている用途:ライブ演奏、大音量の楽器(ドラム、ギターアンプ)、放送、防音・吸音対策をしていない部屋
人気モデル:Shure SM58(ボーカル)、Shure SM7B(放送)、Rode PodMic、Electro-Voice RE20
リボンマイクは、磁界の中に吊るした薄い金属リボンで音を拾います。高音がなめらかで、温かく自然なサウンドが特徴です。
- メリット:自然で温かみのある音、立ち上がりの速い音にも忠実、高音域がなめらかに減衰する
- デメリット:非常に壊れやすい(パッシブ型にファンタム電源は厳禁)、高価、出力が小さい
向いている用途:プロの音楽録音、金管楽器、ギターアンプ、ヴィンテージ風のボーカル
指向性による分類
最も一般的な指向性です。カーディオイドのマイクは正面の感度が最も高く、側面や背面からの音を抑えます。
- 向いている用途:ソロのボーカル、ポッドキャスト、配信、ビデオ通話
- コツ:マイクの正面に向かってまっすぐ話すと、最も良い結果が得られます
無指向性マイクはどの方向の音も同じように拾うため、環境音や複数人の声の録音に適しています。
- 向いている用途:電話会議、部屋全体の録音、インタビュー、ピンマイク
- コツ:周囲の音もすべて拾うため、部屋の音響環境が整っていることが大切です
8の字指向性のマイクは、正面と背面の音を拾い、側面からの音を抑えます。リボンマイクによく見られる指向性です。
- 向いている用途:2人でのインタビュー、デュエット、M/S方式のステレオ録音
形状による分類
スタンドやマイクアームに取り付けて使う昔ながらのマイクで、決まった場所での録音を前提に作られています。
- メリット:音質が最も良い、位置を自由に調整できる、見た目も本格的
- デメリット:机のスペースを取る、しっかりした設置が必要、持ち運びに不向き
- 向いている用途:配信、ポッドキャスト、ナレーション録音、音楽制作
ヘッドセットは、ヘッドホンとマイクが一体になったデバイスです。マイクと口の距離が常に一定に保たれます。
- メリット:マイクの位置が安定する、両手が使える、自分の声をその場で確認しやすい
- デメリット:単体マイクより音質は劣ることが多い、着け心地に個人差がある
- 向いている用途:ゲーム、ビデオ通話、カスタマーサポート、オンライン授業
人気モデル:HyperX Cloud II、SteelSeries Arctis、Logitech G Pro X、Jabra Evolve2
服にクリップで留める小さなマイクです。両手が空き、口との距離も近く保てます。
- メリット:カメラにほとんど映らない、ハンズフリー、持ち運びやすい、音量が安定する
- デメリット:衣ずれの音を拾いやすい、大型のマイクに比べると音質に限界がある
- 向いている用途:動画制作、インタビュー、プレゼンテーション、Vlog
人気モデル:Rode Wireless GO、DJI Mic、Hollyland Lark、Sennheiser ME 2
細長い形をしたマイクで、収音範囲が非常に狭く、狙った方向の音だけを拾って軸から外れたノイズを抑えます。
- メリット:軸外の音をしっかり抑える、離れた音源も拾える、プロ品質の仕上がり
- デメリット:正確に音源へ向ける必要がある、風に弱い、かさばる
- 向いている用途:映画撮影、映像取材、屋外での録音、ブーム操作
ノートPC、Webカメラ、モニター、スマートフォンなどに内蔵されたマイクです。手軽ですが、音質には限界があります。
- メリット:設定不要、いつでも使える、持ち運べる
- デメリット:音質が低め、ファンやタイピングなど本体の音を拾う、背景ノイズを抑えにくい
- 向いている用途:気軽なビデオ通話、ちょっとした録音、外出先での利用
接続方式による分類
USBマイクはA/Dコンバーターとプリアンプを内蔵しているため、ほかの機材なしでパソコンに直接つなげます。
- メリット:挿すだけで使える、オーディオインターフェース不要、品質が安定、持ち運びやすい
- デメリット:部品を個別にアップグレードできない、1ポートにつき1本まで、わずかな遅延がある
- 向いている用途:初心者、ポッドキャスト、配信、ビデオ通話、自宅スタジオ
人気モデル:Blue Yeti、Audio-Technica AT2020USB+、Rode NT-USB Mini、Elgato Wave:3、Shure MV7
XLRマイクは3ピンのバランス接続を使い、プリアンプを備えたオーディオインターフェースやミキサーが必要です。プロの現場ではこれが標準です。
- メリット:より高音質を狙える、機材を段階的にアップグレードできる、長いケーブルでもノイズが乗りにくい
- デメリット:オーディオインターフェースが必要(追加費用)、セットアップが複雑
- 向いている用途:本格的な録音、音楽制作、放送スタジオ
パソコンの3.5mmマイク入力につなぐ、基本的なアナログマイクです。音質はパソコンのサウンドカードに左右されます。
- メリット:安価、幅広い機器で使える、使い方が簡単
- デメリット:音質がサウンドカード次第、ノイズが乗りやすい、ケーブルが短い
- 向いている用途:普段の会話、低予算の環境、古いシステム
ワイヤレスマイクは、電波(UHF帯・デジタル)やBluetoothで音声を伝送するため、自由に動きながら使えます。
- メリット:どこへでも動ける、ケーブルが散らからない、プロの現場でも柔軟に使える
- デメリット:バッテリーが必要、電波干渉の可能性、遅延がある(特にBluetooth)、高価
- 向いている用途:ライブ演奏、動画制作、プレゼンテーション、フィットネスインストラクター
用途別おすすめ早見表
- ビデオ通話・リモートワーク:USBコンデンサーマイク(Blue Yeti、Rode NT-USB Mini)または品質の良いヘッドセット
- 配信・ポッドキャスト:USBコンデンサーマイク、またはマイクアームに付けたダイナミックマイク(Elgato Wave:3、Shure MV7)
- ゲーム:マイク性能の良いヘッドセット(HyperX Cloud、SteelSeries Arctis)またはUSBの卓上マイク
- 動画制作:ワイヤレスのピンマイク(Rode Wireless GO、DJI Mic)
- 音楽の録音:XLRコンデンサーマイク+オーディオインターフェース(AT2020、Rode NT1)
- 音響対策をしていない部屋・騒がしい環境:ダイナミックマイク(Shure SM7B、Rode PodMic)