Webカメラには、シンプルなUSB接続のものから、AI機能を備えた高度なIPカメラまで、さまざまな種類があります。このガイドでは主なWebカメラの種類をひととおり取り上げ、目的に合ったカメラ選びをお手伝いします。
形状で分ける
もっとも一般的なタイプのWebカメラです。USBで接続し、モニターにクリップで取り付けたり、デスクスタンドに置いたりして使います。
- メリット:使いやすい、挿すだけで使える、価格や画質の選択肢が豊富、持ち運べる
- デメリット:製品によって画質の差が大きい、USBの帯域に左右される、設置場所の自由度が低い
- 向いている用途:ビデオ通話、配信、動画制作、在宅ワーク
人気モデル:Logitech C920/C922、Logitech Brio、Elgato Facecam、Razer Kiyo Pro
ノートパソコン、モニター、タブレット、スマートフォンに直接組み込まれたWebカメラです。いつでも使えますが、画質には限界があります。
- メリット:設定不要、いつでも使える、ケーブルや設置スペースが要らない
- デメリット:全体的に画質が低め、位置を変えられない、アップグレードが難しい、暗所に弱い
- 向いている用途:気軽なビデオ通話、ちょっとした打ち合わせ、外出先での利用
ヒント:ノートパソコンの内蔵カメラの多くは720pです。低価格の外付けWebカメラでも、たいていはそれより高画質です。
パン(左右の首振り)、チルト(上下の角度調整)、光学ズームができる業務用カメラです。ソフトウェアや専用コントローラーでリモート操作します。
- メリット:遠隔で向きを変えられる、画質の劣化がない光学ズーム、プリセット位置の登録、広い範囲をカバー
- デメリット:高価、設定が複雑、設置工事が必要、可動部が摩耗することがある
- 向いている用途:会議室、教会、ライブイベント、配信スタジオ
人気モデル:Logitech PTZ Pro 2、AVer CAM520 Pro、PTZOpticsのカメラ
超広角レンズ(90〜180°)を備え、話者追尾や自動フレーミングなどのスマート機能を持つ専用のWebカメラです。
- メリット:画角が広い、AIによる自動フレーミング、マイク内蔵、複数人での利用に最適化
- デメリット:高価、個人利用にはオーバースペック、十分な照明が必要
- 向いている用途:会議室、少人数の打ち合わせスペース、役員会議室、ハイブリッド会議
人気モデル:Meeting Owl 3、Logitech Rally、Jabra PanaCast、Poly Studio
IPカメラは自身のIPアドレスを持ち、ネットワークに直接接続します。パソコンがなくても単体で動作します。
- メリット:パソコン不要、どこからでもリモートアクセス可能、本体に録画できる、業務向けの機能
- デメリット:設定がやや複雑、ネットワークの設定が必要、価格が高め
- 向いている用途:防犯、監視、遠隔での見守り、業務用途
24時間の監視を目的に作られたカメラで、暗視、動体検知、防水・防塵などの機能を備えています。
- メリット:暗視、防水モデルあり、動体検知、常時録画、スマホへの通知
- デメリット:ビデオ通話向けではない、クラウド機能にはサブスクリプションが必要な場合がある
- 向いている用途:自宅の防犯、ベビーモニター、ペットカメラ、オフィスの監視
人気モデル:Ring Indoor/Outdoor、Wyze Cam、Arlo、Nest Cam、Eufy
自動フレーミング、ジェスチャー操作、顔追尾、背景ぼかしなどのAI機能を備えた最新のWebカメラです。
- メリット:自動フレーミングで常に中央に映る、ジェスチャー操作、ホワイトボードモード、スマート機能
- デメリット:価格が高め、機能を使うのにソフトが必要な場合がある、処理によって遅延が生じることがある
- 向いている用途:動画クリエイター、プレゼンター、教師、動き回る配信者
人気モデル:Insta360 Link、Obsbot Tiny 2、Logitech Brio 500、Dell UltraSharp
接続方式で分ける
ほとんどのWebカメラで採用されている標準的な接続方式です。USBポートに挿すだけで使い始められます。
- USB 2.0:1080p・30fpsには十分で、互換性が高い。最大480Mbps
- USB 3.0:4Kや高フレームレートには必須。最大5Gbpsで、遅延も少ない
- USB-C:最新のコネクタで、USB 3.0以上の速度に対応することが多い。裏表なく挿せる
ヒント:4Kや1080p・60fpsのWebカメラは、USB 3.0ポートにつなぐと性能を最大限に発揮できます。
Wi-Fiでネットワークに接続するWebカメラです。ケーブルを引き回す必要がなく、自由な場所に設置できます。
- メリット:設置場所が自由、ケーブルでごちゃつかない、Wi-Fiが届けばどこにでも置ける
- デメリット:バッテリーかコンセントが必要、遅延がある、ネットワークの品質に左右される
- 向いている用途:防犯カメラ、ベビーモニター、パソコンから離れた場所での利用
LANケーブルで接続するIPカメラです。PoE(Power over Ethernet)対応モデルは、同じケーブルから電力も供給されます。
- メリット:接続が安定、Wi-Fiの干渉を受けない、電源とデータを1本のケーブルでまかなえる(PoE)
- デメリット:LANケーブルの配線が必要、PoEには対応のスイッチまたはインジェクターが必要
- 向いている用途:業務用の設置、防犯システム、会議室
一眼レフ、ミラーレスカメラ、ビデオカメラを、HDMIキャプチャーボードやカメラメーカー専用のUSBソフトを使ってWebカメラとして利用する方法です。
- メリット:圧倒的な画質、レンズ交換が可能、背景を大きくぼかせる、大型センサー
- デメリット:高価、設定が複雑、キャプチャーボードや専用ソフトが必要、熱を持ちやすい
- 向いている用途:本格的な配信、ハイエンドな動画制作、スタジオ環境
人気の組み合わせ:Sony ZV-E10+Elgato Cam Link、Canon EOS M50+キャプチャーボード、Sony α6400
解像度で分ける
ビデオ通話で最低限許容できる解像度です。低価格のWebカメラやノートパソコンでは今でもよく見かけます。
- 必要な帯域:なめらかな映像で約1〜2Mbps
- 向いている用途:基本的なビデオ通話、回線が遅い環境、古いパソコン
- 注意:最近のディスプレイでは明らかにぼやけて見えます。日常的に使うなら1080p以上がおすすめです
多くの人にとってちょうど良い解像度です。仕事の通話にも十分な精細さがあり、通信帯域もそれほど必要ありません。
- 必要な帯域:なめらかな映像で約3〜5Mbps
- フレームレート:標準は30fpsで、上位のWebカメラなら60fpsにも対応
- 向いている用途:仕事のビデオ通話、配信、動画制作
ヒント:1080p・60fpsなら、配信や素早い動きが目に見えてなめらかになります。
解像度に余裕があるため、1080pの画質を保ったままトリミングやデジタルズームができます。
- 必要な帯域:最高画質で約6〜8Mbps
- 向いている用途:トリミングや構図の調整、デジタルズーム、将来を見据えた選択
- 注意:ほとんどのビデオ通話サービスでは、結局1080pに縮小されます
1080pの4倍の画素数です。非常に精細な映像が得られますが、かなりの通信帯域と処理性能が必要です。
- 必要な帯域:最高画質で約15〜25Mbps
- 向いている用途:本格的な映像制作、大胆なトリミング、保存用の高画質映像
- 注意:ほとんどのビデオ通話アプリ(Zoom、Teams)は4Kに対応しておらず、縮小されます
4K Webカメラ:Logitech Brio、Elgato Facecam Pro、Insta360 Link、Dell UltraSharp
センサー技術で分ける
最近のWebカメラは、ほぼすべてがCMOS(相補型金属酸化膜半導体)センサーを採用しています。効率が良く、安価で、画質も良好です。
- メリット:消費電力が少ない、読み出しが速い、安価、動画撮影に向いている
- デメリット:ローリングシャッターによる歪みが出ることがある、安価なセンサーは暗所でノイズが出やすい
センサーサイズも重要:大きなセンサー(1/2.8型、1/2型)は、小さなセンサー(1/4型)より多くの光を取り込めます。
裏面照射型センサーは、配線を受光部の裏側に配置することで、より多くの光をセンサーに届けられるようにしたものです。上位モデルのWebカメラによく使われています。
- メリット:暗所性能が高い、感度が向上、ノイズが少ない
- デメリット:価格が高め、主に上位モデルにしか搭載されていない
- 向いている用途:照明が不十分な部屋、夜間の通話、動画制作
目的別のおすすめ
- ビデオ通話・リモートワーク:1080pのUSB Webカメラ(Logitech C920、Anker PowerConf C200)
- 配信・動画制作:1080p・60fpsまたは4KのWebカメラ(Elgato Facecam、Logitech StreamCam)
- 照明が暗い:大型センサーのWebカメラ(Logitech Brio、Razer Kiyo Pro)
- 会議室:広角の会議用カメラ(Meeting Owl、Logitech Rally)
- 最高の画質:一眼レフ・ミラーレス+キャプチャーボード(Sony ZV-E10、Canon M50)
- 防犯・見守り:IPカメラまたは専用の防犯カメラ(Ring、Wyze、Arlo)
- 動きながら話すプレゼンター:AI搭載Webカメラ(Insta360 Link、Obsbot Tiny 2)
購入を検討しているなら、Webカメラの選び方ガイドで詳しいおすすめをご覧ください。すでにWebカメラをお持ちなら、セットアップガイドで最適な設定方法を確認できます。